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【これからのメディア】WebメディアによるD2Cブランド立ち上げの可能性を考察する

最近、Webメディアの収益チャネルがますます多様化してきていますね。タイアップ記事や広告収益のみならず、サブスクリプション(有料会員購読)、Youtubeチャンネル、Instagramなどなど...。パブリッシャーの皆さまの中には、すでに新たな収益軸を作るべく取り組みを始めたり、検討したりしている方もいるかと思います。

その中で今回は、新たな収益チャネルの1つとしてのD2C事業(EC)について考察します。

この記事でわかること

・そもそもD2Cとは何なのか
・メディアが立ち上げたD2Cブランドの成功事例
・メディアがD2Cブランドを展開するメリット・デメリット

1.D2Cブランドって何?

D2Cとは、「小売店などの仲介業者を通さずに、直接消費者に対して自社商品を販売する業態」のことです。楽天やYahoo!など、複数の店舗が出展しているモール内に商品を出品するのではなく、あくまでも自社サイトにて自社商品の販売を行っている事業者を指します。

D2Cブランドの特徴としては、下記の3点が挙げられます。

・売り手のストーリーや思いをインターネットを通して伝えられる
・売り手と買い手が直接コミュニケーションができる
・買い手から得た要望を商品改良に生かすことができる

日本のD2Cブランドであれば、メンズスキンケアブランドの「BULK HOMME」が代表的です。

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ブランドとしての世界観や、その背景にあるストーリー性を重視したマーケティングを展開しているのが同社の特徴です。SNSや起用タレント、商品パッケージにおいてイメージを白と黒に統一させており、シンプルで洗練されたブランドイメージが男性から支持されています。

2.ECの市場規模

ご存知の方は多いと思いますが、ECの市場は今後も成長を期待できそうです。

下記のグラフは経産省が発表している、電子商取引に関する市場調査結果です。

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引用元:"国内電子商取引市場規模".経済産業省.https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003.html

EC市場規模の金額自体増えており、尚且つEC化率(全商取引におけるEC取引の占める割合)も右肩上がりで成長していることがわかります。

3.D2Cブランドを展開した国内メディアの成功事例

アメリカのスーツケースD2Cブランド「Away」のように、ブランドイメージの伝達手段としてメディアを立ち上げるケースもあります。

一方で、メディアがD2Cブランドを立ち上げたケースはあるのでしょうか?この項目では、国内のメディアがD2Cブランドを立ち上げている例をご紹介します。

■日本酒のD2Cブランド「SAKE HUNDRED」

「心を満たし、人生を彩る」というブランドコンセプトで、株式会社clearが持つ日本酒D2Cブランド。元々は「SAKE TIMES」というメディアを運営していた会社でしたが、自社の日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」を2018年から販売開始。
※リリース当初のブランド名は「SAKE 100」。

「SAKE HUNDRED」の看板商品は「百光」。

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「百年先まで光照らすように」という思いが込められた、気品と透明感のある日本酒です。1本のお値段は1万6800円(発売当時の価格)。他の日本酒と比べて高いものの、3日で購入希望者が5000人もいたようです...!コロナの影響で、EC需要が後押しされたこともあり、1日100本以上売れている事も。販路は自社ECサイトのみ。こちらもかなり驚きです。

引用元:"暗転から売上16倍 コロナ禍で花開いた高級日本酒、飛躍の理由は".withnews. https://withnews.jp/article/f0200904001qq000000000000000W02h10301qq000021694A

なぜこの日本酒がたくさん売れているのか。その理由の一つは、自社メディアを通して特定のユーザーに対して商品PRができているからではないかと考えられます。

自社メディアの「SAKETIMES」は、意外なことに月間100万PV。酒蔵の紹介や杜氏・蔵元へのインタビューから、酒器やペアリングなどの楽しみ方、専門用語の解説など、日本酒に関する記事が豊富にあります。

だからこそ、日本酒の感度の高い層が集まっている印象を受けます。ある分野に特化したメディアでPRされたオリジナル商品であれば、値段が高かろうとも、ユーザーとしては大きく興味を引かれるのではないでしょうか。

参考資料:"日本酒における最高峰のグローバルブランドを目指す 「SAKE HUNDRED」の魅力に迫る". LUX-BLO. https://lux-blo.com/recommend/2020/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%85%92%E3%81%AE%E6%9C%80%E9%AB%98%E5%B3%B0%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%80%8Csake-hundred%E3%80%8D/

4.メディアがD2Cブランドを展開するメリット・デメリットとは?

■メリット

・集客に優位性がある

もともとメディアを持たない企業は、ブランディングや販促を一から始めないといけません。SNSのアカウント作成に始まり、定期投稿から広告出稿に至るまで、世間にアピールするところから始めなければいけない難点があります。

しかし、メディアはすでにユーザーが集まってくるコミュニティになっています。自社でDC2ブランドを立ち上げた場合、自社メディア上でユーザーに向けて商品のプロモーションを行うことが可能です。

■デメリット

・楽天などモール上の類似商品と価格勝負になる場合、不利

価格勝負になると、どうしてもD2Cブランドは厳しい状況になってしまいます。したがって、D2Cブランドを立ち上げる際に重要なのは、独自のストーリーをまとった商品の企画です。

独自のストーリーを持った企画は、特定の分野に特化したヴァーティカルメディアは相性が良いと思います。例えば、料理系のメディアであれば料理グッズ、キャンプ系メディアであればキャンプグッズなどです。

ECにチャレンジし、失敗したパブリッシャーの声をよく耳にしますが、大半はセレクトショップ型で、価格勝負でモールに勝てないからではないかと考えます。だからこそ、自社のメディアのストーリーを押し出した自社商品をいかに作るかがD2Cで重要なポイントです。

まとめ

D2Cブランドについて、機能性よりも共感を呼ぶ独自のストーリー性が重要だと書きました。同じように、株式会社アカツキの創業者、塩田元規さんが書いた「ハートドリブン」という本でこのような記述がありました。

「すべてのものの価値の源泉が、機能的価値から感情価値へシフトする中、感情価値で差別化することが求められる。」

自社メディアでD2Cブランドの立ち上げを検討する際、こちらの本と併せてこの記事が参考になったら嬉しいです。

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参考資料

・"D2Cを成功させるポイントとは? 最新の11のブランド事例から極意を学ぶ!". Shopify ブログ. https://www.shopify.jp/blog/d2c-ecommerce
・"【集客成功のメソッド】「SAKE100」、500%成長の日本酒EC
". 日本ネット経済新聞. https://netkeizai.com/articles/detail/800
・"“100年誇れる1本”で日本酒の高価格市場を開拓する「SAKE100(サケハンドレッド)」の挑戦【Clear Inc.代表取締役CEO・生駒龍史インタビュー】". SAKETIMES. https://jp.sake-times.com/special/interview/sake_sake100_ikoma
・"D2C(DtoC)のメリット&デメリット | 日本のD2Cブランドの海外進出成功事例". Digma. https://www.digima-japan.com/knowhow/world/16501.php
・"初日売上400万円達成!メディアコマースの「RiLi」ECサイトをリニューアル
". 株式会社RiLi. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000034014.html
・"「#RiLiっぽ」が爆発的人気を呼ぶRiLi STORE 誕生のきっかけは「ユーザーの声」". Shopify ブログ. https://www.shopify.jp/blog/success-story-rili
・"メディアやインフルエンサーのD2Cブランド立ち上げを全方位で支援するAnyMind Group十河代表に聞く". Media Innovation. https://media-innovation.jp/2020/09/29/anymind-interview/
・"暗転から売上16倍 コロナ禍で花開いた高級日本酒、飛躍の理由は". withnews. https://withnews.jp/article/f0200904001qq000000000000000W02h10301qq000021694A

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